Variax Talk

阿部 学のVariax Talk #10: Dream Rig パート3

2012.12.19

今回はいよいよDream Rigのサウンド面に迫ってみましょう! 接続は、まず最初にJTVからVDIケーブルでPOD HD500へ、そしてPOD HD500のL6 LINK OUTからAES/EBUデジタル・ケーブルでDTのL6 LINK INへ。これだけです。

サウンド面に関しては、ここからが重要です。POD HD500のシステム・セットアップメニュー内にあるアウトプット設定で「繋ぐ相手先が何か」を選択します。接続するDTの種類に応じてSTACK PWR INやCOMBO PWR INが自動選択されますが、マニュアルで変更することも可能ですので、好みのサウンドが得られる設定にしてもいいでしょう。

POD HD500 から DTアンプ へL6 LINK接続した際の凄いところは、POD HD500でアンプモデルを選択すると、そのモデルにあったコンフィギュレーションがDT側で自動選択され、回路構成がパワーアンプ内で物理的に変更されることです。ここが単にHD500から単体パワーアンプやアンプのパワーインに繋げた時との違いで、特にビンテージ系のアンプ・モデルとモダンなものを切り換えると、違いが明確に分かります。

またJTVに関してもHD500側での設定やプリセットへの保存が可能で、ペダル操作のみでJTVのギターモデルやピックアップ選択、ギターモデル使用時のチューニング、トーン、そしてPOD HD500のアンプ・モデルやエフェクト、DTのパワーアンプ設定までを一気に変更できるのです。これは本当に便利ですねぇ!

今年春に行われた「JTV体感セミナー」ではJTVとPOD HD500のみを使ってPAから音を出しましたが、オープニングで弾いたこの曲では:

・イントロや中盤のカッティング・リフ部分 = SPANKのフロントP.U&デラックスリバーブ
・最初のテーマ = LESTERのリアP.U&Uberschall
・サビのテーマ = LESTERのリアP.U&Uberschall&エフェクト

こうした変更を、POD HD500のペダル操作のみで切り換えて弾いています。

ビンテージ系のギターとアンプ、エフェクト・モデルから、モダンなサウンドのアンプとダウン・チューニングの組み合わせがペダル一踏みで切り換わるのは、便利である以上に「痛快」の一言ですよ!

この3種類の機材を揃えたときの良さは、Dream Rigのシステムとしての魅力はもちろん、単品使いもできることだと思います。JTVのみでも、JTVとHD500との組み合わせでも、あるいはJTVとDTを通常のギターとアンプ同様に接続しても使用できます。単体でも魅了的な機能を使うことができ、システムとして接続すれば、より統合された機能を使用可能。そのときの状況に応じて使い分けられるのも、このDream Rigのすごいところです。この魅力を、ぜひ一度楽器店などで体験してみてください。

次回は年内最後のコラムとして、JTV尽くしだった今年をJTV中心に語ってみたいと思います。

著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
13歳でギターを始め、バンド活動。自己のバンド活動後、7弦ギタリストISAOやベーシストIkuoらと六本木ピットインでのセッション活動や、Line 6製品等のプロダクト・スペシャリストを経て、女性ユニットZweiのサポート・ギタリスト、世界的規模のテーマパークでのショー出演、『バトルギア4』や『グランツーリスモ TV』のゲーム・ミュージックにも参加。

ソロ・アルバム 『Memories』もリリースしている。現在は元flow-warの及崎森平らと“NumberClub”、メロディック・パンク・バンド“叫人Factory”、若手超絶ドラマー大菊勉とのセッション・ユニット“Power of Duo”にて活動するほか、様々なライブやレコーディング、ギター・レッスンに精力的に活動中。

blog.livedoor.jp/manabu_eternity/

abe_memories
『memories』阿部 学

*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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