DL4 MkII Tips

第5回 feat.西田修大 - リバーブ+ディレイで現代的なアンビエンスを作る

DL4 MkIIはディレイ単体、リバーブ単体での使用はもちろん、それらを組み合わせることも可能。さらにはルーティング変更も可能なので、より複雑でリッチな残響を1台で楽しむことができます。今回からの3回は、ギタリストの西田修大氏による実践的な活用法を紹介します。



リバーブ+ディレイのサウンドを一台で

現代的な音像の中で、残響系のエフェクトに関してディレイだけ、リバーブだけという使い方以上に、それらを組み合わせてアンビエンスを作る場面が多くなっていると思います。DL4 MkIIは、ディレイに加えて15種類のリバーブも使えるようになり、これ一台でアンビエンス作りを完結させることができます。

動画では、わかりやすいように最初はリバーブのみで、次にディレイのみで、最後にディレイを基本にしながら外部エクスプレッション・ペダルでリバーブを加えて、演奏しています。リバーブはPARTICLE VERB、ディレイはGLITCHを選びました。

PARTICLE VERBとGLITCHを使いこなすコツ

PARTICLE VERBはキラキラとして幻想的なシマー系のリバーブです。しっかり聴こえた方が気持ちの良いリバーブなので、ミックスは上げ目がお薦めです。ギターのサステインが聴き取りにくくならないギリギリのところに設定するのがコツです。

GLITCHは、上下のオクターブ+リバース+スライスの効果がはっきりとしたディレイで、現代のアンビエンスを語る上では絶対に外せない音色です。いわゆる「飛び道具」になりがちですが、DL4 MkIIのGLITCHはどんな設定にしても破綻せず、音楽的な響きを持っていることが特徴です。TWEAK、TWEEZのノブを適当に回して、気に入ったところで止めるくらいのざっくりとしたやり方でも良い効果を作り出せるので、いろいろと試してみてください。

これらをミックスして使う場合のコツは、GLITCHをドライで使う場面と深くリバーブをかける場面を意識して、はっきりと分けることです。エクスプレッション・ペダルを使うとそのコントロールがしやすいのでお薦めです。


GLITCHのセッティングのポイントはTWEAK、TWEEZの設定。この場合、TWEAKでピッチ、TWEEZはスライスのフィードバックやシークエンスのドリフト、シャッフルを調整できる。あまり難しく考えず、TWEAKでぶっ飛び具合、TWEEZで不思議さ具合を調整するといった感覚で、自由に操作してみよう。

DL4 MkIIは、プリセットした3つのディレイ+リバーブの組み合わせを、フットスイッチA、B、Cに割り当てて使うことができます。僕なら、Aにはどんな曲にも使いやすい組み合わせを、Bには特定の楽曲で必要な個性的な組み合わせを、Cには場面転換などにあると嬉しい少し実験的な組み合わせを入れて使うと思います。今回は、Cにぴったりな現代的なアンビエンスを、ディレイをリバーブの組み合わせで作ってみました。ぜひ参考にして、皆さんの演奏に取り入れてみてください。



西田修大

西田修大(にしだ しゅうた)
プロフィール

1988年生まれ、広島県出身。君島大空 合奏形態、Songbook Trio、KID FRESINO、中村佳穂、石崎ひゅーい、UA、アイナ・ジ・エンド、絢香といったさまざまなアーティストのライブやレコーディングで活躍。現在の邦楽シーンを支える重要なギタリストの一人として注目を集めている。

◎Twitter: https://twitter.com/nsd_st
◎Instagram:https://www.instagram.com/shuta_nishida/

取材・文:井戸沼尚也
写真:星野俊
動画撮影・編集:熊谷和樹
録音:嵩井翔平


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