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Helix

鈴木健治の「ギターレコーディング・マスタークラス」 第3回

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クリーントーンのバリエーション

こんにちは。ギタリストの鈴木健治です。
鈴木健治のギターレコーディング・マスタークラス、第三回目の今回は、クリーントーンのバリエーションと題しまして、クリーントーンの使い方、音作り、アプローチの方法などを紹介していきます。
歪みに比べて少々地味な印象のクリーントーンですが、バリエーションを増やすことでレコーディング時のアプローチやギターアレンジの幅を広げることが出来るんです。
動画もあわせて是非チェックしてみて下さい。

クリーントーンの選択肢を増やす

エレキギターにとってディストーションサウンドは、とても魅力的で派手で音の伸びも良く、気持ちよくギターソロを弾くには最適なサウンドでと言えますよね。
もちろんそれはそれで何の疑いもないのですが、クリーントーンならではの良さや魅力もありまして、アプローチの選択肢として何パターンかおさえておくのはとても良い事だと思います。

実は個性が出やすいクリーントーン

クリーントーンの場合、ピッキングのタッチやフィンガリングのテクニックなどが、よりストレートに音としてアウトプットされるものです。
ということは、弾き手の個性がより出やすいとも言えるんですね。
歪みに比べると少々地味なクリーントーンですが、少し深く研究すると実はかなりのバリエーションがありますし、そこは派手なリードとは違うオトナ風な個性が出やすいとも言えますね。

コードの選択肢が広がる

クリーントーンの場合テンション系のコードをより綺麗に響かせる事が出来ます。
これは歪んだ音の場合倍音がかなり強調された上で濁らせているので、倍音で構成されるテンションノートはそもそも綺麗に鳴らせられないんですね。
A7(♭9、13)というコードはオルタードテンションを含んだ複雑でキレイな響きのコードですが、これを歪んだ音で弾くと、汚く濁ったコードに聞こえるでしょう。
クリーントーンの良さのひとつに、倍音で構成されたテンションノートを自ら響かせる事が出来る事が言えると思います。

動画のリズム

いつものように、リズムトラックを作ってその上にギターを重ねているのですが、今回はリズムパターンをあえて1種類に固定して、コード的にもF#一発ともとれるシンプルさです。
そこをクリーントーンのバリエーションでそれぞれの雰囲気を作ってみました。

【ファンク】動画2:11〜 Helixプリセットのダウンロード
ひとつめは典型的な7th系ファンクパターンです。
アンプの種類はUS DLX を使い、クリスピーでエレキらしいクリーントーンを作ってみました。
エレキギターのクリーントーンと言えば、まずこれが代表格と言っても良いでしょう。

【ブリティッシュ系クリーン】動画3:38〜 Helixプリセットのダウンロード
ファンクのサウンドがアメリカ系だとすると、これはブリティッシュ系のクリーンと言えます。
アンプはEssex A-30を使い、VOX系のサウンドを作ってみました。
ファンク系に比べるとややダーティで少し汚れた雰囲気にもなりますが、これもクリーントーンのひとつでして、パターンのひとつとしておさえておくのは良いかと思います。
また、普通のクリーンでもう少しクセが欲しい時には結構使えるサウンドですよ。

【付点8分ディレイ】動画4:42〜 Helixプリセットのダウンロード
このパターンも代表的なクリーントーンと呼んで良いくらい一般的なアプローチになりました。
曲のテンポに対して付点8分のディレイをかける手法なのですが、これはこれでいくつかのパターンがあるんです。
今回はU2のエッジのスタイルを意識した、バンド系、ロック系のアプローチとも言えますね。
詳しくは動画をチェックして頂ければと思いますが、スタックアンプのクリーントーンを使い、アンプの前にディレイを置いているのがひとつのポイントになります。
アンプの前にディレイを置くことで、ディレイ音にもアンプのキャラクターが足されて、原音とのニュアンスが近くなるんですね。
余韻としてでなく、シーケンスフレーズ系のディレイを使う時は有効な方法でして、ディレイの音が程よく汚れてそれも雰囲気を作る要素になっています。

アンプの後にディレイを掛けると、綺麗かつ爽やかなニュアンスを出すことが出来ます。
ディレイをステレオにする事も出来ますね。

そのあたりの使い分けもHelixですと簡単に出来るのは嬉しいですね。

【90年代風ステレオクリーン】動画7:50〜 Helixプリセットのダウンロード
いわゆるラインのクリーンに、コーラス系たっぷりなサウンドです。
LA系クリーンとも言いますね。僕もそうでしたがスタジオ系のギタリストは巨大なラックを使い、EventideやLexiconなどを使いこのサウンドを作っていました。
もちろん今はHelix 1台で出来てしまいます。

1番のポイントはスピーカーシミュレートを使わずに、ラインのサウンドを生かす事と言えます。
そうすることで、周波数的にかなり幅広くなり、ギターアンプでは再生できない高域や低域まで鳴らす事が出来るんです。また、コーラスやディレイなどのエフェクトもとても綺麗にかかりますね。
是非動画でチェックしてみて下さい。

まとめ

今回はクリーントーンのバリエーションをいくつか紹介しました。
コントロール出来るクリーントーンの種類を増やすと、ギターのアプローチの幅も広がりますし、普段あまり使わないサウンドからインスピレーションを得る事も多いと思います。
又、スピーカーシミュレートを使わない音作りは、本来ラインレコーディングの得意とする所でもありますので、そこも是非チャレンジしてみてください。

今回は以上になります。では。


著者プロフィール:鈴木健治(すずきけんじ)
Kenji Suzukiギタリスト、ギターサウンドデザイナー、トラックメーカー。
神奈川県出身。
10歳でギターを始める。
20歳でプロとしてのキャリアスタート。
以来、スタジオミュージシャンとして、宇多田ヒカル、MISIA、BoA、EXILE、倖田來未、SMAP、安室奈美恵、坂本真綾、ケツメイシ… 他沢山のアーティストの作品に参加。その数は1000曲を超える。
キレのあるリズムギター、歌う様なリードギターは、1990年代後半~2000年代のJ-POPでのギターアプローチに多大な影響を与える。
2018年でプロミュージシャン生活30年を迎える。

ギタリスト鈴木健治オフィシャルサイト

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