TIPS/テクニック

リアンプのコンセプトと方法

リアンプとは、ドライな(プロセスされていない)ギター・シグナルをキャプチャーしておき、後からそのトーンを変更したいときには、ギターのパートを再度演奏しなくてもシグナル・プロセッシングを変更できるテクニックです。ギター・トラックのリアンプには、幾つかの方法があります。ここでは、DIボックスを使う方法と、POD Studio インターフェース (UX1、UX2、UX8) を使用する方法の2種類を紹介します。

私個人は、プロフェッショナルなレコーディング・スタジオへ足を踏み入れるとすぐに、赤ランプ症候群に陥りますし、プロデューサーやエンジニアの顔を見るだけでナーバスになります。だから、大抵はドライ・シグナルのテイクを自宅でレコーディングし、それをスタジオに持ち込んで、スタジオにある素晴らしいアンプに通します。スタジオでギター・パートを演奏する場合も、トーンを後で変更したくなった場合に備えて、ドライ・シグナルをキープしておくと良いでしょう。

では、どのようにリアンプをするのでしょう? 先ほど述べたように、リアンプを行うには幾つかの方法があります。DIボックスを使い、シグナルを分けて、一方はアンプに、もう一方はレコーディング機器へ送ります。ドライ・ギター・シグナルをキャプチャーしておいて、それを後でギター・アンプの入力へ送るのです。もちろん、ギターの出力とレコーディング・コンソールやインターフェースの出力ではインピーダンスが異なります。インピーダンスを正確にマッチさせたい場合は、レコーディング機器の出力とギター・アンプの入力の間にリアンプ・ボックスを使います。ただし、インピーダンスのミスマッチがギター・アンプやコンソール/インターフェースの出力へダメージを与えることはありませんし、私個人はトーンの違いはわずかだと思っています。

次はPOD Studioによる方法です。全てのPOD Studio USBレコーディング・インターフェースには、Ableton® Live LiteとPOD Farm™ プラグインが同梱されています。これ以外に必要なのはコンピューターとギター、ギター・アンプとマイクだけです。ギターからPOD Studioインターフェースのギター・インプットへケーブルを接続して、Ableton Live Liteか、ご自身の選択したDAW (デジタル・オーディオ・ワークステーション) を起動してください。オーディオ・トラックを作成して、POD Farmプラグインをインサートします。さあ、ギターのトラックを録音しましょう。

次に、POD Farmプラグインを無効にするか削除します。ギター・トラックの出力が、POD Studioのいずれかのアナログ出力に設定されていることを確認して、1/4インチ・ケーブルをインターフェースからアンプへ接続します。セッション内のその他のトラックは、ミュートするか、別の出力へルーティングします (ミックス全体をアンプで鳴らしたいのでなければ・・・もちろん、それがクールなサウンドになる場合もあるかもしれませんよ)。アンプの前にマイクをセットして、それをPOD Studioインターフェースのマイク入力へ送ります。ここで、録音待機状態にしたトラックの出力をアンプに送っていないことを、必ず確認してください。万全を期すため、そのトラックとアンプのボリュームを下げておきます。DAWの再生を開始し、徐々にボリュームを上げます。耳を保護することだけは忘れないでください。さあ、録音を開始すればオーケーです。

リアンプはギター以外の楽器でも実行できます。ボーカルやバイオリン、キーボードなども、歪んだアンプを通すと本当にクールなサウンドを生み出すことができます。

ぜひエンジョイしてください!

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