TIPS/テクニック
阿部学のHelixトーク 第27回(最終回)
『HX Effects』
最終回を迎えたHelixトークですが、今回は話題の新製品『HX Effects』を取り上げたいと思います。
さて、このHX Effects。
最初にこれをお伝えしなければなりません。
それは “HX EffectsはミニHelixではない” という事です。
ここを理解出来ていないと、どういう用途の製品か分からなくなってしまいますからね。
HX Effectsは、アンプ・モデリングを使わずに、実アンプに繋げる、ペダルボードに組み込む方等にベストマッチする製品です。
同じLine 6にM9というエフェクターがありますが、それの上位機種という位置付けになります。
しかしM9に比べて全ての部分において格段の進歩を遂げていると言えます。
それはHelixの搭載のHXモデリングによるエフェクトが全て入っている(アンプ/キャビネット・モデルは除く)というサウンド面のクオリティーアップも勿論ですが、Helixの優れた機能面や操作性を受け継いでいるからなのです。
スクリブルストリップ(フットスイッチ上のディスプレイ)、タッチセンサーを備えたフットスイッチ等「これがあるから出来る」という事がたくさんあります。
またMシリーズ、DL4、 MM4、 FM4、DM4から移植された77種類のエフェクトかそのまま入っているのも魅力ですよね!
ちょっと前置きが長くなりましたけど、HX Effectsの魅力を紹介していきたいと思います。
HX Effectsはエフェクトが最大9個まで同時使用する事が可能です。
最初画像を見た時に「フットスイッチが6基なのにどういう事?」と思ったんですけど、話は簡単でした。
HX Effectsは基本的にプリセット管理なんです。
そしてそのプリセット内のエフェクトのON/OFF等を、自分の使用用途に応じてフットスイッチに割り当てるという形になります。
こう書くと「ちょっと複雑なのでは?」と思ってしまいますが、これが凄く簡単なのです。
それはやはりスクリブルストリップやタッチセンサーのフットスイッチがあるからです。
まず電源を入れると画像のようなエフェクト名が表示された状態(ストンプモード)になります。
それを右にあるMODEスイッチでプリセットモード(BANKナンバー、A~Dのプリセット名)に切り替えることができます。
個人的には何も入っていないプリセットから作っていくのがオススメですね。
そしてスクリブルストリップ部分が空欄のフットスイッチに触れ、”ビッグノブ”でブロックを選択、エフェクト・モデルを選択という流れで作成していきます。
ちなみに僕は普段Helixを使用しているという事もあり、メニュー内のSIGNAL FLOWを選択し、画像のような形でシグナルチェーンにエフェクトを配置する方法が分かりやすかったですね。
ここではブロックの移動や入れ替えも簡単に行えます。
Helixのようにパラレル・パスのルーティングでエフェクトを組む事も可能です。
こんなモジュレーション×2、ディレイ×3、リバーブというゴージャスなプリセットを組む事も可能です。
作成したプリセットを手直しする時もHX Effectsは簡単で、目的のエフェクト部のフットスイッチを触れるとパラメーターが表示され、すぐに調整可能です。
そしてこれ凄いなと思ったのが、目的のエフェクト部のフットスイッチを数秒タッチすると、全パラメーターがスクリブルストリップに表示される事です。
パラメーターが多いエフェクトもこれですぐ調整可能ですね。
まだまだあります!
Helixの特徴の一つ「ハンズフリー・エディット・モード」も備えているんです。
これで立った状態でも作成したプリセットの調整が可能になります。
そしてそして、僕がライブ時によく使用するパラメーターアサインも健在です。
これを使うと、一つのフットスイッチにエフェクトのON/OFF、各エフェクトのパラメーターをアサインする事が可能です。
そのパラメーターも最小値・最大値を任意で設定可能なんです。
僕が実際作ったのは、Gainというブロックを配置し、音量アップ、ディレイのMixを上げる、リバーブのMixを上げるというものです。
さらに名称もオリジナルの「Solo」にして、LEDリングの色も変更しました。
これライブの時凄く便利なんです!
まだまだあるんですけど、それは実際に楽器店等で音を出して試してみて頂きたいなと思います。
チュートリアル動画もいくつか上がっているので、そちらも参考にしてみてください。
さて、ここまで27回もの長さで続けたHelixトークですが、このHelixの機能を存分に受け継いだ魅力的な製品「HX Effects」の紹介をもって最終回になります。
ありがとうございました!!
★阿部学主宰Helix ユーザーグループ(Facebook)への参加:
https://www.facebook.com/groups/910662599034878/
著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
13才でギターを始め、バンド活動。
その後は六本木ピットイン等でのセッション活動や楽器メーカーのインストラクターを経て、女性ユニットZweiのサポートギタリスト、 ディズニーリゾートでのショー出演、セッション活動、ゲームミュージックのレコーディング活動等、精力的に活動。
最近ではLine 6のデモ演奏・セミナー、岩佐美咲(元AKB48)のサポートギタリスト、渡辺美奈代のアニバーサリーライブでのギター参加、他にギターレッスンにも力を入れている。
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