By Jim Dalrymple

AvidがPro Tools^® 9をリリースした際の最大の進歩はサードパーティ製USBオーディオ･インターフェースのサポートでした。これはLine 6ユーザーにとって、Pro ToolsプラットフォームでPOD Studio™ インターフェースの素晴らしいハードウェア及びソフトウェアの全てをフル活用できるようになったことを意味しています。

POD Studioが最高のPro Tools 9インターフェースである4つの理由を紹介しましょう。

1.　ToneDirect™ モニタリングによるニアゼロ･レーテンシー

POD Studioインターフェースを使用してレコーディングを行う際に、あらゆるプラットフォームで実現する最高のメリットのひとつがToneDirect (トーンダイレクト) モニタリングです。これはLine 6が開発したテクノロジーで、他のインターフェースを使った場合とは異なり、ほぼレーテンシー無しに“トーン”を実現します。つまり、聞き取れるようなレーテンシー無しに、プロセスされたシグナルをリアルタイムでモニターできるのです。

他のインターフェースでは、プロセスされたトーンのモニタリングとレコーディングをする場合には、大きなレーテンシーのある状態でレコーディングしなくてはなりません。これはレコーディングのプロセスを悩ましく、かつ混乱するものとし、とにかくイライラさせられます。POD Studioは、それを過去のものとします。

2. POD Farm 2プラグインによりドライ＆プロセス･シグナルを同時レコーディング

POD Farm™ 2ソフトウェア は、素晴らしいPODトーンをプラグインで提供し、全てのPOD Studioインターフェースに同梱されています。素晴らしいギター･トーンを供給するだけでなく、Pro Toolsへ送るシグナルを、プロセスされたトーン、ドライ･シグナル、その両方から選択できます (POD Farm 2のMixerウィンドウのRecord SendセクションでPro Toolsへ送るシグナルを選択可能)。

レコーディングにおいては多くのエンジニアが、エフェクトとアンプを適用した“プロセス”トーンをレコーディングする際に、ドライ･シグナルもレコーディングします。このドライ･シグナルとは、ギターそのもので、何もかかっていない音です。このシグナルはいろいろな用途に便利です。その用途のひとつがリアンプで、これがPOD StudioがPro Tools 9用の最高のインターフェースである3番目の理由になります。

3. ドライ･シグナルのリアンプ

リアンプはドライなギター･シグナルをキャプチャーしておき、それをアンプに通して好みのトーンを作り上げるテクニックであり、後でトーンを変更したい場合には、ギター･パートを再度演奏しなくてもシグナル･プロセッシングを変えることができます。POD Farm 2では、プロセスしたトーンとともにドライ･シグナルもレコーディングできるため、Pro Toolsチャンネル上にプラグインとして実行し、トーンを選択すると、アンプを通した（しかも調整可能な）ギター･サウンドによる二番目のトラックが得られるのです。

リアンプは楽曲全体のトーンを形作るのにも便利です。例えば完璧なトーンを作り上げて楽曲をレコーディングした後に、そのトラックのコーラスやディレイが深過ぎたということもあるでしょう。このプロセスされたシグナルはレコーディングされているので、どうしようもありません。でもドライ･シグナルもレコーディングしておけば、POD Farm 2プラグインのプリセットを呼び出し、設定を調整するだけでいいのです。楽曲を失うことはありません。

4. ボーカル、ベースのレコーディング

私はこの原稿を書くのにPOD Studio UX2インターフェースとPOD Farm 2を使っていますが、これはギタリストだけでなく、ベーシストやボーカリストにとってもハードウェアとソフトウェアの素晴らしいコンビネーションです。

POD Studio UX2には2系統のバランス･マイク入力とファンタム電源が搭載されており、ボーカリストに最適です。POD Farm 2には著名なビンテージ機器をベースとするプリアンプ･モデルとベース･アンプ･モデルが搭載されており、それぞれにプロフェッショナルなプリセットのコレクションも用意されており、トーンのクオリティは最高クラスです。もちろん、モデルやプリセットは自由に音作りでき、独自のトーンを保存して後で利用することも可能です。

Pro Tools 9がハードウェアの制限無しに動作するのは素晴らしいことです。POD Studio USBインターフェースとPOD Farm 2プラグインは、Pro Toolsユーザーから最高の音楽とレコーディングを引き出すのに役立ちます。

ジム・ダリンプル氏は20年もギターを演奏し、Apple製品と音楽に関する原稿を15年以上に渡って執筆しています。Twitter (@jdalrymple) やWebサイト (The Loop) でフォローできます。