TIPS/テクニック
阿部学のHelixトーク 第17回
『Helixに関するよくある質問』
今回は、Helixに関して僕がよく質問される内容を取り上げてみようと思います。
実際、僕はHelixユーザーさんとお話しさせて頂く事が多い立場かと思います。
Helix自体は発売されてからそれなりに時間が経っていますが、ユーザーにとっては買った時点ではまだ最新機器なのです。
この手のデジタル機器は、詳しい人と慣れていない人との差が実に大きいです。
詳しい人はこちらがびっくりするくらい詳しいですし、慣れていない人は少し触っただけで拒絶反応を起こす事も…
ただモデリング物のプロセッサーも世に出てから長い年月が経っていますし、最近は何かしらのデジタル機器を持っている方が多いので、そこまでの人はなかなかいないですけど…
という訳で、今回は取り上げるのは3つ。
・プリセット間のボリューム差に悩んだ時は
・接続先に合わせた適切なアンプ・ブロックの選択
・フットスイッチのバイパス・アサインの解除
まずはプリセット間のボリューム調整をどうすれば良いかについて。
ライブで頻繁に使用するユーザーさんにとって、最初に戸惑うポイントはここだと思います。
なので、どう調整するかよく質問されます。
自分もライブ(まずはリハーサル)での初使用時は、常にこの調整をしているといっても過言ではありません。
特に仕事モードの時は神経質なまでに調整してますね…。
この調整する時、アンプモデルのCh.Vol(チャンネル・ボリューム)を調整している方も多いと思いますが、アンプモデル毎に基本レベルも異なるので、思いのほか上がりきらないなんて事も。
その時非常に便利なのが、Volume/Panのカテゴリーにある「Gain」というブロックです。
これの良い所はモノラル/ステレオを選択できるので、ステレオエフェクト使用後のシグナル最終部分に置ける所です。
このブロックがあれば音量をブーストする事も出来るので、プリセット間のボリューム調整は凄く楽になると思います。
次は接続先に合わせた適切なアンプ・ブロックの選択。
実は一番飛んでくる質問はこれに関する内容なんです。
以前よりは少なくなりましたが、まだまだ聞かれます。
「Helixをアンプのリターン端子や、パワーアンプに繋いだ時に音がこもったように感じるんだけど、こんなものなんでしょうか?」という感じですかね?
実際のプリセットを見てみると、スピーカー・キャビネットのモデリングがONになっていたというパターンが一番多いですかね。
キャビネット・モデルにはマイキングの要素も含まれているので、これだとスピーカーをマイクで拾った音をアンプに入れていることになり、当然おかしなことになりますよね。
自宅でフルレンジのモニター・スピーカーで聴きながら作ったプリセットを、そのままアンプで鳴らそうとすると、こういうことが起きます。
これ以前から多かったんですよ。
以前の機種、例えばPOD HD500Xの場合は、接続先を選択するメニューがあったんですよね。ミキシング・コンソールやレコーディング機器へ ダイレクトに接続する場合、アンプのフロントに接続する場合や、パワーアンプ入力に接続する場合などに応じて、セットアップの中から自身で選択するようになっていたので、HD500X等の解説をする時はまずここから説明していました。
Helixではこのメニューが無くなり、最初から接続先に合わせたアンプ・ブロックを「Amp+Cab」「Amp」「Preamp」の中から選択するようになった訳ですが、まだまだどれを選択すれば良いか迷う方が多いです。
一番多いと思われる、アンプのリターン端子やパワーアンプに繋ぐ場合は「Preampのみ」選択するのを推奨します。
しかしながら、絶対にこうしなければいけないという物ではないので、自分が気に入ったサウンド/方法を選ぶのが良いと思います。
ちなみにこの方法で気をつけたいのは、PreampモデルにはPresenceパラメーターが無い事です。
意外と知らない方が多いんですが、PresenceはパワーアンプのEQなのです。
あとResonanceもですね。
なので、真空管アンプヘッドのリターン端子に繋いだ場合はアンプヘッド側のPresenceやResonanceツマミを積極的にいじってみましょう。
これでかなり印象が変わるはずです。
最後はフットスイッチのバイパス・アサインの解除。
これも何気に多い質問なのです。
Helixはエフェクトのオン/オフ等のフットスイッチへのアサインが、非常に簡単に出来るプロセッサーです。
動画等でもタッチセンシティブのフットスイッチに触れる → アサインなんて方法をご覧になった方も多いと思います。
ただ、その逆はあまり触れて来ませんでしたね。
この場合は、解除したいブロックを選択してメニューボタンを押し、画像にあるBypass Assignを選択します。
このメニューに入り「Switch」のノブをまわし、「None」を選択すれば解除、または他のフットスイッチへアサインが可能になります。
簡単ですよね?
という訳で今回のHelixトークは、よく質問される内容について語ってみました。
初歩的な内容かもしれませんが、快適に使っていく為には大事な部分かと思います。
エキスパートを目指しましょう!!
また、他にも質問がある方は是非ともFacebookの「Line 6 Helix Japan User Group」へご参加くださいね!
著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
13才でギターを始め、バンド活動。
その後は六本木ピットイン等でのセッション活動や楽器メーカーのインストラクターを経て、女性ユニットZweiのサポートギタリスト、 ディズニーリゾートでのショー出演、セッション活動、ゲームミュージックのレコーディング活動等、精力的に活動。
最近ではLine 6のデモ演奏・セミナー、岩佐美咲(元AKB48)のサポートギタリスト、渡辺美奈代のアニバーサリーライブでのギター参加、他にギターレッスンにも力を入れている。
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