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Helix

“Throbber(スロバー)”

2016.01.11

昔ながらのエフェクトペダルのデザインは、作りがとてもシンプルで他と共通するコンポーネント数も少ないものも中にはありますが、多くは興味深い回路を採用しています。これらペダルのいくつかは、特徴あるサウンドを作り出すために、コンポーネントの不測な挙動をあえて活かしているものもあります。

その一つがUni-Vibeペダルです。Uni-Vibeは元々日本のシンエイが開発し、後にUnivoxが販売していました。そのメタルケースの中には、4つのフォトセルで取り囲まれた白熱電球が採用されていました。

そう、読んで字の如く!小型の懐中電灯に使われているような電球が、ギターペダルの中で輝いているのです。

オリジナルのUni-Vibeとその復刻版ペダルは、「水中サウンド」と呼ばれるエグいキャラクターで、ジミ・ヘンドリックスやロビン・トロワー、最近ではマイケル・ランドウといった影響力のあるギタリストが使用した事で人気となりました。聴けばすぐにわかる特色の強いエフェクトで、“サイケデリック”と表現されるギター・サウンドに欠かせないコンポーネントです。個人的にも大好きなので、Helixを紹介する動画でもしっかり使っています。まだご覧になっていない方はこちらから視聴いただけます: 「Helix登場」(日本語字幕付き)

デジタルと比較すると、電球(Uni-vibeのモジュレーション特性に大きく関わるコンポーネント)の回路はノンリニア、つまり直線的には動作しないということが欠点です。電球が明るくなったり暗くなったりするのを早回しの映像で見ると、明暗の切り替わりが規則正しくないのが確認できると思います。フィラメントが白熱を始め完全に明るくなるまでに少し時間がかかり、暗くなるのにも時間がかかります。

それだけではなく、電球には標準的な仕様が定まっていないため、個体の挙動も全く同じではありません。同じロットの中でも他より明るいものや、明るくなる、もしくは暗くなるのにかかる時間が他より長かったり多少の差があります。Uni-Vibeペダルのサウンドに個体差があることは有名ですが、実際その理由の一つは、内部の電球が影響しているのです(ギタリストにもあまり知られていませんが、内部のランプのバイアス調整を行うトリムポットが回路に存在する事も理由の一つです)。

無秩序な電球の挙動を予測し再現することができて初めて、Uni-vibeのようにインパクトのあるエフェクトをソフトウエア上で作り出すことができます。太く水中のような揺れのあるサウンドを作り出しているのは、その非線形な構造であるが故、全く同じようなサウンドを再現するのは困難なのです。

私たちはHelix内でどのような挙動をするか説明するだけでは説得力がないと考え、ソフトウェア内に動作も完全なバーチャル電球を内蔵しました。“Throbber(スロバー)”と名付けられたそのバーチャル電球は、Helixで本物そっくりにUni-vibeをエミュレートすることを可能にする要素の一つです。さらにHelixでは、ランプそのもののバイアスを調整することもできます。ですから本物と同様に揺れの効果をカスタマイズする機能も備わっています(本物のペダルと違うのは、カスタマイズにドライバーが必要ないということだけです)。

HelixのUni-vibeエフェクトなら、ノブを少し調整するだけでジミ・ヘンドリックスのような揺れから、ダニエル・ラノワのようなサウンドまで自由自在です。そして、アンプの前に接続するドライブ・ペダルの前でも後でも期待通りの結果を得られます。

先ほどご紹介した動画以外にもHelix関連の動画が用意されていますので、是非ご覧ください:https://youtu.be/ANKhDBr1jrU?list=PLwD_ulA6bYlpX1iOfHSImodYVbrCwK-Tx

* Uni-VibeはDunlop Manufacturing, Incの商標です。このブログで取り上げている Uni-vibe製品は、シンエイ社のオリジナルモデルで既に廃番となっています。現在Dunlop Manufacturing, Inc. が取扱を行っているUni-Vibeを意味する、または使用するものではありません。

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