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Variax サウンド再現の技術と魔法

2015.09.14

Variax®の技術は誤解されがちです。他の楽器のサウンドをとても忠実に再現している理由の一つは、VariaxがMIDIギターではないという事実にあります。MIDIギターは、特別な16進数のピックアップ・データ出力に基づく一定のサンプルまたはインパルスをトリガーする仕組みです。ピックアップはデータを吐き出しているだけなので、使用されている弦の状態やサイズ、種類はあまり関係がありません。その弦が完全にダメになっていても、トリガーされるサンプルが変わるわけではないため、サウンドが変わるということはあり得ません。

近年のMIDIキーボードにも同じことが言えると考えれば、どれだけキーが壊れていたり汚れていたりしても、グランドピアノのサウンドは決して変わることがない、ということで納得がいきますよね。

一方Variaxは、ブリッジに組み込まれたピエゾピックアップのリアルなサウンドを変化させる事により他の楽器のサウンドを再現しています。

ピックアップのタイプとその位置がVariaxのサウンドの要です。ピエゾピックアップは、弦の振動を音声に変換(弦自体に加わった圧力を転送)することで機能しており、マグネティックピックアップと比較すると、高い周波数帯をより効率よく拾う事ができるという特徴があります。またピックアップの位置がブリッジサドルに近ければ近いほど、より広く高周波帯を感知します。

これは、弦の動きの特性により、ネック側のピックアップの方がブリッジ側よりもサウンドに温かみが出るという事で、エレキギターのプレーヤーには馴染みがあるかと思います。

Variaxの場合、ブリッジサドル部分にピエゾピックアップが設置されていているので、可能な限り高い周波数を正確に拾うことができます。ついでに言えば、この設計こそが、Variaxがアコースティック・ギターの再現に優れている技術を持ち合わせている理由の一つです。

我々はVariaxの音色をギター上で再生可能にするために、ピエゾピックアップの出力を変換するという技術を確立しました。そしてそれがピックアップを通した弦の本当の音で構成されているという事実は、他との間にいくつかの相違点をもらてしています。弦がダメになっていればギターのサウンドもダメで、また他の楽器と同様、弦の太さによっても音に違いが出るということです。要するに、これはやはりギターであるという事なのです。

それだけではなく、ギターそれ自体のサウンドも考慮に入れる必要があるということになりますね。真空状態で弦は振動しません。弦のサイズ、種類、ボディのタイプやサイズ、ボディのウッド素材、金属パーツといったギターの要素全てが、ピックアップから出力されるのです。

ここまで述べてきましたが、あまり知られていない事実。それは、我々は他の楽器のサウンドを模倣しようとしている訳ではなく、実は、元になるビンテージ楽器のサウンドと、Variaxギターそのもののサウンドの差の補正を行っているのです。

Variaxの技術で異なる楽器を正確に再現するプロセスは非常に複雑で、それぞれのボディ本体、弦とそのタイプ、ピックアップ、各ピックアップ・タイプ特有のマグネティックピックアップのパターン、弦の消耗具合などによるサウンドと共鳴、そしてギターの実際の配線やポットのサウンドと特性をキャプチャーしているのです。

これはとても複雑で時間を要するプロセスです。我々は、Variax自体の音を考慮した上で、フィルターとレゾネーターを用い、ピックアップを通して元の楽器と同じように動作する楽器に仕上げました。アーチトップ・ギターを演奏する時は、フラットワンドの弦のニュアンスでさえも聞き取り感じることができます。モデリング技術の正確さの証ですね。

その正確さは、60年以上も前の楽器のサウンドも忠実に再現されていることからも明らかです。その頃の電子部品と木製パーツは楽器の特性を従来とは異なるものに変わりつつあり、それがモデリングする際とてもやっかいなのです。ともかく50年代に製造されたギターのモデリングには忍耐が必要ということです。

最終的に完成したVariaxモデルは、非常に正確にオリジナルを再現することに成功しました。双方のサウンドをレコーディングし比較したところ、ほぼ聞き分けるのは不可能で、だからこそVariaxの技術が世界中のスタジオやステージで使われているのです。それは1本の本物のギターであり、他の数多くの実在するギターのサウンドを再現する事ができるギターなのです。

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