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AMPLIFiオリジナルトーン#6: スピッツ「ロビンソン」風セッティング

このコラムでは数回に渡ってAMPLIFiのオリジナル・サウンドセッティングを紹介してきました。今回は大ヒットしたスピッツのシングル曲「ロビンソン」風のセッティングにトライしてみましょう。

スピッツのギタリスト、三輪テツヤさんの特徴は何といっても曲を昇華させるような美しいアルペジオ・ワークです。一見クセのないシンプルなクリーントーンですが、このシンプルなクリーントーンが実に作るのが難しいんですよね。今回はこのアルペジオにピッタリなサウンドの作り方を紹介しようと思います。

ではイントロ、Bメロの音作りを、それぞれ説明していきましょう。ベースとなるアンプ・モデルには1987 Jazz Cleanを選択。サウンドのサンプルも試聴できるようにしてありますので参考にしてください。

●イントロアルペジオ

1987 Jazz Cleanアンプ・モデルの各パラメーターはDrive= 67、Bass= 55、Mid= 44、Treble= 84、Presence= 85、Volume= 56に設定。キャビネットには 2×12 Jazz、マイクは57 Aを使用しました。通常のクリーンよりも若干Driveを上げ気味にして、強く弾くとほんの少し歪むセッティングにしてあります。そのせいで、サウンドによっては若干割れたように聴こえます。

そしてアンプの後ろのコンプレッサーをオンにします (Threshold= -25、Gain= 5)。またEQもオンにして、パラメーターはLo Shelf Freq= 3&2Hz、Lo Shelf Gain= 3.0dB、Lo Mid Freq= 824kHz、Lo Mid Gain= 0.3dB、Hi Mid Freq= 5.8kHz、Hi Mid Gain= 9.3dB、Hi Shelf Freq= 6.4kHz、Hi Shelf Gain= 8.5dBとしました。

このトーンの要となるのがコーラスです。ここではSine Chorusを選択しました。設定にはかなり苦労しましたが、このセッティング (speed= 1.09Hz、Mix= 46、Depth= 62、Bass= 43、Treble= 85) で自然なコーラス効果が得られると思います。

ディレイにはAnalog Delayを選択して、Time= 440ms、Mix= 28%、Feedback= 42%、 Bass= 50、Treble= 50。最後に奥行き感を出すためリバーブにMedium Hallを選択して、Decay= 50%、Pre Delay= 50%、Tone= 50、Mix= 28%にしました。これでシンプルかつアルペジオワークに適したサウンドが作れたと思います。

●Bメロのギタートーン

次はBメロ部分のギタートーンです。この曲には部分的に色々とギターが入っているのですが、今回はBメロ部分のコード・ストロークをピックアップしてみました。

基本的にはイントロのトーンと同じですが、よりアナログ感を出すため、アンプ・モデルの前にコンプレッサーであるVetta Juiceを入れ、Amount= 38%、Level= 50%に設定しました。

そしてこの部分の最大の特徴であるPhaserをオンにします。この手の揺れ物エフェクターかけ具合が難しいですよね。今回は適度に揺れるくらいを目処にSpeed= 0.85 Hz、Mix= 41%、Feedback= 45%にセッティングしてみました。

どうでしょうか?三輪テツヤさんならではの空間系エフェクトを活かしたサウンドが再現できたと思います。

AMPLIFi用に用意されたAMPLIFi Remoteアプリ (iOS、Androidの両方に対応) を使用すれば、こうした音作りを簡単に、しかも楽しく行うことができます。皆さんもぜひ試してみてください。

著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)

abe_memories13歳でギターを始め、バンド活動。自己のバンド活動後、7弦ギタリストISAOやベーシストIkuoらと六本木ピットインでのセッション活動や、 Line 6製品等のプロダクト・スペシャリストを経て、女性ユニットZweiのサポート・ギタリスト、世界的規模のテーマパークでのショー出演、『バトルギア4』 や『グランツーリスモ TV』のゲーム・ミュージックにも参加。

ソロ・アルバム 『Memories』 もリリースしている。現在は元flow-warの及崎森平らと“NumberClub”、メロディック・パンク・バンド“叫人Factory”、若手超絶 ドラマー大菊勉とのセッション・ユニット“Power of Duo”にて活動するほか、様々なライブやレコーディング、ギター・レッスンに精力的に活動中。

http://blog.livedoor.jp/manabu_eternity/

*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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