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AMPLIFiオリジナルトーン#1: 春畑道哉「JAGUAR ’08」風セッティング

2014.08.07

by 阿部 学

14850105002_d462c462fd_oこんにちは。このコラムでは“ギターアンプを再発明”のコピーで知られるAMPLIFiシリーズで、オリジナルのトーンを作成方法を紹介していきます。AMPLIFiシリーズにはクラウド上に何千種類ものプリセットが用意されており、楽曲にマッチしたトーンを自動的に呼び出してくれるという便利な機能によって著名な洋楽曲とも簡単に演奏できますが、ここでは日本の楽曲を取り上げて行くことにしましょう。ここで作成するトーンは、AMPLIFi Remoteアプリで楽曲を再生すれば、自動的に呼び出されます。

今回はAMPLIFi FX100の店頭デモでも取り上げている、TUBEのギタリスト春畑道哉さんの楽曲「JAGUAR ’08」風のセッティングにトライしてみましょう。

春畑道哉さんのトーンの最大の特徴は

・ハードなディストーションサウンド
・エモーショナルかつ、ニュアンス豊かなプレイ

だと思います。今回はこの2つを実現できるサウンドメイキングを紹介しましょう。

まずはベースとなるアンプモデリングですが、ここでは私のお気に入りでもあるLine 6オリジナルのLine 6 Agroを選択しましょう。このアンプモデリングの特徴はMiddleコントロールによって音のキャラクターが変わるところにあります。Marshallアンプ等に付いているContourとは異なるコントロールで、下げると所謂ウーマントーンのようなブーミーなサウンド、上げるとクランチーなサウンドになります。これをうまく利用すれば、春畑さんのようにリアP.Uでは歯切れの良いハードなディストーション・サウンド、フロントP.Uではニュアンス豊かなブルージー・サウンドを簡単に作ることができます。

では、実際にリフとリードのトーンの音作りを説明していきます。サウンドのサンプルも試聴できるようにしてありますので、参考にしてください。

●リフトーン

イントロ・リフのトーンは、Noise Gateを通った後で、歯切れの良いサウンドを作るためStompでコンプレッサーのVetta JuiceをONにしています。パラメーターは、Amount =50、Level =50。そしてLine 6 Argoアンプ・モデルのMiddleコントロールで歯切れの良いサウンドを作るので、各パラメーターはGain= 76、Bass= 78、Mid= 65、Treble= 77、Presence= 83、Volume= 65に、またキャビネットは 4×12 Green 20′s、マイクは421を使用しました。

ソリッドな音を再現するためEQをONにして、パラメーターはLo Shelf Freq= 423Hz、Lo Shelf Gain= 3.4dB、Lo Mid Freq= 1.1kHz、Lo Mid Gain= 0.2dB、Hi Mid Freq= 3.0kHz、Hi Mid Gain= 6.1dB、Hi Shelf Freq= 6.7kHz、Hi Shelf Gain= 5.4dBとしました。

リズムギターのサウンドなので、空間系はリバーブのみを少しかけて立体感を出しましょう。Large Plateを選択して、Decay= 33、Pre Delay= 36、Tone= 63、Mix= 30にすると、春畑さんらしい、歯切れの良い16分のブリッジミュートが特徴的なサウンドに仕上がったと思います。

●リードサウンド

今度はリードサウンドを作っていきたいと思います。アンプモデルは同じですが、ニュアンス豊かなサウンドにする為、Gainを上げめ、Middleコントロールも少し上げて、Gain= 80、Bass= 78、Mid= 73、Treble= 77、Presence= 83、Volume= 65に設定しました。Middleコントロールを上げると、フロントをシングルコイルP.Uにした時のピッキングニュアンスがより出やすくなります。春畑さんのトーンは、このP.Uチェンジ時の音色変化が凄く顕著ですよね。

キャビネット、マイク、StompのコンプレッサーやEQはそのままで、リードサウンドを引き立てるためにディレイをONにします。ここではステレオならではの広がりを得るためPing-Pong Delayを選びました。パラメーターはTime= 580ms、Mix= 34、Feedback= 41、Offset= 70、Spread= 100。これで規則的なステレオディレイサウンドが得られます。最後のReverbはMixだけ少し上げて38に設定しました。

今回は春畑道哉さんの「JAGUAR ’08」風セッティングを取り上げました。AMPLIFiをお持ちの方はぜひお試しください。では次回をお楽しみに!

著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)

abe_memories13歳でギターを始め、バンド活動。自己のバンド活動後、7弦ギタリストISAOやベーシストIkuoらと六本木ピットインでのセッション活動や、Line 6製品等のプロダクト・スペシャリストを経て、女性ユニットZweiのサポート・ギタリスト、世界的規模のテーマパークでのショー出演、『バトルギア4』や『グランツーリスモ TV』のゲーム・ミュージックにも参加。ソロ・アルバム『Memories』もリリースしている。現在は元flow-warの及崎森平らと“NumberClub”、メロディック・パンク・バンド“叫人Factory”、若手超絶ドラマー大菊勉とのセッション・ユニット“Power of Duo”にて活動するほか、様々なライブやレコーディング、ギター・レッスンに精力的に活動中。

http://blog.livedoor.jp/manabu_eternity/

*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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