Variax Talk

阿部 学のVariax Talk #11: JTV尽くしの一年を振り返る

2012.12.26

もう2012年も、残すところあと僅かですね。一年が経つのが年々早くなるような気がしますが、今年は私にとってもJames Tyler Variaxが大きな存在となりました。

と、今年を振り返る前に、まずJTVのv1.9ファームウェアについて触れておきましょう。ギターなのに、バージョン・アップしてサウンド・クオリティが上がっていくというのも凄いところです。今回のバージョンではブリッジ・ミュート時のサウンド・クオリティが向上したのと、JTV-89のみハイゲイン・モデルが追加されました。

abe_jtv69usVariaxはブリッジにマウントされたピエゾ・ピックアップを使っているということもあってか、ブリッジ・ミュート時には少し音がコモる傾向があったようです。コード・ストロークやアルペジオなどが多いと、あまり気にならなかった部分ではありますが、ハードなサウンドを使うギタリストには朗報だと思います。私自身もハードなサウンドを多用するので、これは嬉しいバージョン・アップです。

気になるサウンドに関しては……いや~お見事! 簡単に言うと、トレブル感が増しているという印象です。この「トレブル感」というのはEQを上げて得られるようなものではなく、楽器本来の持っている高音域のことで、ブリッジ・ミュート時以外でも、より音抜けが良くなった印象を受けました。まだバージョンアップをされていない方は、是非とも試してみてください。詳しくは以下のページで紹介されています:

https://jp.line6.com/news/general/1369

さて、話題を戻しましょう。今年は年頭から「JTV尽くしの一年」といっても過言ではない年になった気がします。オリジナルVariaxでもデモ演奏をしていたこともあり、もともとVariaxのことははよく知っていましたが、今回のJTVを自宅で初めて弾いた時は凄く驚きました。とにかく、モデリング・ギターであることを理由にした、ネガティブな要素は全て無くなったと言えます。

ギターに限らず、楽器を選ぶ時には、音そのものはもちろん、見た目や弾きやすさなど様々な要素が関係してきますが、James Tyler Variaxも普通のギターと全く同じような感覚で選べるようになったと思います。従来のJTV-59やJTV-69、JTV-89に加えて、JTV-59のボディにP-90ピックアップを搭載したJTV-59P、リアにもシングル・ピックアップを採用したスリー・シングル仕様のJTV-69Sなど、さらにバリエーションも強化されました。

また、US Customシリーズの存在も見逃せません! これも素晴らしい出来です。

これまでのギターに加えて、JTVも間違いなく重要なギターの1本になりました。メインとして使えるのはもちろん、考え方によっては「最強のサブギター」になります。こんなに守備範囲の広いギターは他にはありませんし、それに助けられたことも数多くあります。とにかく、一度は楽器店で試してみてください。きっと驚きますよ。

次回は、この「JTVがあって良かった」という具体的な例を幾つか紹介したいと思います。では、良いお年を!

著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
13歳でギターを始め、バンド活動。自己のバンド活動後、7弦ギタリストISAOやベーシストIkuoらと六本木ピットインでのセッション活動や、Line 6製品等のプロダクト・スペシャリストを経て、女性ユニットZweiのサポート・ギタリスト、世界的規模のテーマパークでのショー出演、『バトルギア4』や『グランツーリスモ TV』のゲーム・ミュージックにも参加。

ソロ・アルバム 『Memories』もリリースしている。現在は元flow-warの及崎森平らと“NumberClub”、メロディック・パンク・バンド“叫人Factory”、若手超絶ドラマー大菊勉とのセッション・ユニット“Power of Duo”にて活動するほか、様々なライブやレコーディング、ギター・レッスンに精力的に活動中。

blog.livedoor.jp/manabu_eternity/

abe_memories
『memories』阿部 学

*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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