Variax Talk

阿部 学のVariax Talk #8: Dream Rig

2012.12.05

Line 6のDream Rigというシステムをご存知でしょうか? これはJames Tyler Variaxギター、POD HD500 (もしくはPOD HD Pro)、DTアンプ (DT50またはDT25) を専用のケーブルで接続することで、独自の操作性や利便性を実現しているシステムであり、実に“Line 6ならでは”の発想です。

JTVギターPOD HD500をVDIケーブル、POD HD500とDTアンプをL6 LINKケーブル (AES/EBUデジタル・ケーブル) で接続したこのシステムは非常に便利で、ノイズが少ないなどデジタル接続のメリットも当然ありますが、やはり凄いのがPOD HD500から全機器のコントロールを行える点です。従来のオリジナルVariaxでもVariaxのセッティングをPODから切り替えることはできましたが、Dream Rigではそれを大幅に超えたコントロールが実現しています。

dreamrigまず、Dream RigではPOD HD500とDTアンプが連動することにより、HD500をプリアンプ&エフェクター、DTをパワーアンプとして使用できます。しかも合計30種類のHDプリアンプ・モデルに対して、最適なDTのパワーアンプのトポロジーが自動選択されるため、単純にプリアンプからパワーアンプへ接続するだけではありません。DTアンプ内のプリ管、パワー管が動作して生み出されるトーンは、やはり音の迫力が違います。

その上、JTVギターのコントロールも、単なる切り替えではありません。具体的には:

・プリセット・チェンジと同時にギターのモデリングを変更する
・プリセット・チェンジと同時にギター・モデルのピックアップを変更する
・プリセット・チェンジの際にトーン・コントロールを変更する
・オルタネート・チューニングを選択する

などという作業が、フットスイッチを踏むだけで行えます。

私も「JTV体感セミナー」ではこの機能を駆使して、例えばちょっとハネ物のジャジーな曲ではイントロのカッティングをSPANKのハーフトーン (JTV) + クリアトーン (HD500)、メロディはSEMIモデルのES-335をベースとしたトーンのフロント (JTV) + クランチトーン (HD500)、ソロ部分はJAZZBOXモデルのES-175をベースとしたトーンのフロント (JTV) + でクリアトーンプリセット、という切り替えを、HD500のフットスイッチだけで行っていました。また、他の曲では手元でJTVの機能を操作することもありました。

以前、「フットスイッチでのプリセット変更とピックアップ・セレクターでのピックアップ切り替えが連動できればな」と思っていたんですが、JTV & HD500ではそれ以上のことが、実に簡単な設定で行えてしまいます。

次回は、このDream Rigをさらに掘り下げてみましょう。

著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
abe_memories13歳でギターを始め、バンド活動。自己のバンド活動後、7弦ギタリストISAOやベーシストIkuoらと六本木ピットインでのセッション活動や、Line 6製品等のプロダクト・スペシャリストを経て、女性ユニットZweiのサポート・ギタリスト、世界的規模のテーマパークでのショー出演、『バトルギア4』や『グランツーリスモ TV』のゲーム・ミュージックにも参加。ソロ・アルバム『Memories』もリリースしている。現在は元flow-warの及崎森平らと“NumberClub”、メロディック・パンク・バンド“叫人Factory”、若手超絶ドラマー大菊勉とのセッション・ユニット“Power of Duo”にて活動するほか、様々なライブやレコーディング、ギター・レッスンに精力的に活動中。

http://blog.livedoor.jp/manabu_eternity/

*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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