Variax Talk

阿部 学のVariax Talk #5: 機材としての実用性

2012.11.14

この“Variax Talk”は様々なアーティストのサポートやソロ活動を行い、Variaxギターも知り尽くしたプロギタリスト、阿部学さんによる連載コラムです。現在は James Tyler Variaxギターをライブやレコーディングで活用し、またLine 6のデモでも活躍する阿部さんが、現場ならではのノウハウなどを含めてVariaxを語り尽くします。

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abe_dt50今回はJames Tyler Variaxの、機材としての実用性について説明していきましょう。

まず最初に触れておきたいのが、オリジナルのVariaxが発売された当初だけでなく、現在もセミナーや店頭で説明していると必ずと言っていいほど聞かれることがあります。それは

「Variaxを使うにはPODがないと駄目なんですか?」

という質問です。デジタル機材というのは、往々にしてそういうイメージで捉えられることが多いのですが、そんな心配はありません! 以前のVariaxはもちろん、現行のJTVも単独で使用できます。確かにPOD HD500などと接続することで、機能もさらに拡張することが可能なのですが、それに関しては今後のコラムで詳しく説明しましょう。

Variaxの特徴のひとつが、普通のギターと全く同じように使用できることで、通常使っているギター・ケーブルやエフェクター、アンプにそのまま繋げて使えます。私自身も、ちょっとしたリハーサル等ではコンパクト・エフェクター1個~アンプなんていう使い方もします。ちょっと極端ですが、JTVからMarshallアンプに直で接続する、なんというのも面白いですよね。

通常のギターと同じように使えるのは重要な部分でもあり、モデリング・ギターだからといって、構えることはありません。

しかし、その一方で超多機能なギターでもあり、その多機能を実現する「Variaxモード」を使うには電源が必要です。オリジナルVariaxは、電池駆動が可能ではありましたが長時間使えなかったため、外部電源に頼る必要がありました。基本的な接続方法は、Variax~TRSケーブル(音と電源の両方を供給用)~専用ボックス(電源アダプター使用)~アンプという、ちょっと複雑な使い方でした。またPOD XT LiveなどVDI (Variax Digital Interface) 端子を持つLine 6製品と接続する場合は、専用のVDIケーブルを使って電源供給することも可能でした。

この部分が、James Tyler Variaxでは大きく進歩しており、充電式のバッテリーを使う仕様になりました。非常に実用性も高く、フル充電で約12時間持ちます。この半年間、かなり酷使した現在でも10時間程度は問題なく使え、先日もレッスン、リハーサルなどを含めて丸2日間、充電無しに使うことができました。充電に必要な時間も、実質4時間程度だと思います。通常は出かける前に充電する程度で十分だと言えるでしょう。

また、バッテリーが切れてしまった場合も音が出なくなる心配はありません。James Tyler Variaxはマグネティック・ピックアップも搭載しているので、万一バッテリーが切れてしまった場合、もちろんVariaxモードは使えないものの、演奏は続けることができます。もちろん、心配な方は予備バッテリーを購入するのもいいでしょう。なお、このJTVも、VDIケーブルを使用してPOD HD500などから電源供給することが可能です。

James Tyler Variaxは、電源周りの実用性も向上して、より使いやすくなりました。この部分も大きな進化だと思います。

次回は、ギタリスト阿部学ならではのJTV使用法をご紹介したいと思います。

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