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POD HDマルチエフェクト・プロセッサーのエフェクト解説: Stereo Delay
by Line6Miller
前回のポストからしばらく時間が経ってしまいましたが、引き続きPOD HD マルチエフェクト・プロセッサーのエフェクトを解説するシリーズをお届けします。19種類のディレイ・モデルの中から少しずつ紹介してきましたが、まだ残っています。
ステレオ・ディレイ・エフェクトについて
今回は、POD HDマルチエフェクト・プロセッサーのStereo Delayモデルを取り上げます。
これはLine 6オリジナルのディレイ・エフェクトなので、エフェクトに関して説明するような歴史は存在しません。このStereo Delayエフェクト・モデルについて、Line 6のリードDSP & エンベデッドシステム・エンジニア、アンジェロ・マゾッコに聞いてみたところ、次のような答えが返ってきました:
「Stereo Delayモデルは、単に両サイドがストレートなデジタル・ディレイです。便利なのは、左右へまったく異なるシグナルを送ると、そのまま別々の状態にしておくことができる点ですね」。
そのため、エフェクト・チェーンへステレオ・シグナルを送るのが好きなミュージシャンにとっては、とても便利です。
このStereo Delayモデルは非常にクリーンであり、私の耳には、高域にわずかに輝きがあるように感じられます。対応力も優れており、2系統のディスクリートな入力シグナルを受け、それを独立した状態にできるだけでなく、ローゲインでもハイゲインでも素晴らしいサウンドです。
ステレオ・ディレイのパラメーター
POD HDマルチエフェクト・プロセッサーのStereo Delayには5種類のメイン・パラメーターが用意されています:
Left Time – このパラメーターはステレオ空間の左側のディレイのスピードを設定します。
Left Feedback – ステレオ空間の左側のディレイのリピート量を設定します。
Right Time – Left Timeと同様ですが、ステレオ空間の右側だけに作用します。
Right Feedback – Left Feedbackと同様ですが、ステレオ空間の右側だけに作用します。
Mix – ドライ・シグナルへミックスされるディレイ・シグナルの量です。
これまでの私のブログでは、トーンやサウンドのクリップも用意してきました。今回のブログも同様であり、また Custom Toneから私のトーン全てをダウンロードできますので、活用してください!
このトーンには、特別なことは何もありません。単なるBlackface Dbl Normアンプ・モデルと、Stereo Delayエフェクト1つだけです。フィンガースタイルのギタリストにとっては、このトーンは最適です。Left Timeは大よそ255msに設定されており、Right Timeは付点4分音符にしました。Left Feedbackパラメーターは60%、Right Feedbackは65%で、Mixは60%に設定しました。
私の場合、なぜかPOD HDマルチエフェクト・プロセッサーのGibtone 185モデルに戻ることが多く、Driveパラメーターを持ち上げたときの、小さなアンプがブレークアップする感じが大好きです。ハムバッカーを搭載するギターで、リア・ピックアップを使うと素晴らしいサウンドになります。RawStereoDlyトーンのディレイ・エフェクトと同様、Left Timeパラメーターは295ms、Right Timeは付点4分でなく付点8分音符にしました。Left Feedbackパラメーターは50%、右のFeedbackパラメーターは60%です。Mixパラメーターは、やはり60%になっています。
なぜ自分がレゲエのトーンに心酔しているのかは分からないのですが、POD HD500を使うときはいつも試して、より良いセッティングに設定しています。このトーンはとてもストレートで、Stereo Delayの特徴を見事に表しています。今回もBlackface Double Nrmアンプ・モデルを使い、Stereo DelayのLeft Timeパラメーターは155ms、右側のTimeは4分三連に設定しました。Left Feedbackパラメーターは25%に下げ、Right Feedback parameterはそれより少し多い40%。Mixパラメーターは半分を少し超えた55%です。
これはPOD HDのマニュアルで取り上げられている、ビッグな80年代ロック・サウンドです。Stereo Delayを使うと、このタイプのトーンへ簡単に設定できます。好みにもよりますが、かなり近いと思いますよ。クラシックなBrit J-800アンプ・モデルですが、ディレイ・パラメーターの設定は少し異なっています。Left Timeはかなり低い80msに、またRight Timeはかなり長めの500ms。Left Feedbackパラメーターは何と80%、右サイドのFeedbackはずっと低い20%です。Mixパラメーターは真ん中の50%。これは楽しいトーンですよ!
さて、Stereo Delayエフェクトの内容と、その対応力についてお分かりいただけましたでしょうか?
このディレイは音楽ジャンルを問わず、あらゆるトーンを作るのに使えます。ヘッドフォンやステレオ・アンプのセットアップを活用してみてください。きっとお気に入りのトーンが作れますよ。
次回はSweep Echoディレイ・エフェクトを取り上げます。このユニークなディレイ・サウンドは Tube Echo ディレイに似ていますが、リピートにファンキーなスウィープが追加されます。
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