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Line 6ユーザー・ストーリー: 深沼 元昭 (Part 2)

2011.10.28

歴代のPODシリーズを愛用する深沼さんは、プロダクションの多くをPODのみで行う一方、ライブのセットアップでもトーンを追求しています。その深沼さんが、POD HD同様のHDアンプ・モデリングとBognerデザインのフル・チューブ・アンプを融合させたDT50を導入。この夏に行われたGHEEEのツアーでもDT50 Headが使用されました。

このDT50は、4種類のブティック・アンプを1台で実現できる意欲的なアンプです。12AX7プリ管、EL34パワー管を搭載するフルチューブ・ギター・アンプでありながら、4種類のHDプリアンプ・モデルに最適な形へとアナログ・コンポーネントが自動的に再構成され、アメリカン・クリーン、ブリティッシュ・クランチ、クラスAチャイム、モダン・ハイゲインの各ボイシングでブティック・トーンが生成されます。

「DT50は、音のテイストがすごく良いですね」と語る深沼さんは、ブリティッシュ・クランチのボイシング2を高く評価しています。「これはゲインを下げていくと最高なんですよね。ギター側で下げても、本当に良い音がする。ゲインを全開にしてギター側で下げたときに凄くベストな、クランチ寄りのクリーンなトーンが出せます。ただ僕の使い方だと若干ゲインが足りないというか、単体でソロを弾くまでは上がらないし、マスターを上げないと歪みもちょっと足りない感じがするので、それはPOD HDでもやっているように前段で少しブーストしたりします。パワー・アンプを全開にしないときは、ロー・パワー・モードでゲインを上げるとか工夫して使ってますね」。

こうした使い方をサポートするため、今回のツアーではマルチエフェクトとしてPOD HD500も使用されました。「POD HD500内蔵のBoost CompやEQ、ファズ、ディレイとボリューム・ペダルを活用し、曲によるDT50の設定変更は実際にノブやスイッチを手で動かしていました。HD500はボリュームのコントロールも細かくアサインできるので、それでゲインを上下させつつアンプのチャンネル切り替えも併用しました」。

いくつものバンドでメイン・ギタリストであると同時にボーカルも担当する深沼さんにとって、トーンと同様に重要なのが、チャンネル切り替えでも音切れがなく、かつ両チャンネルの自由度が高いアンプです。「同じボイシングにしてゲインやボリュームを変えることが多いですね。普通のアンプだと、チャンネルを切り替えるとキャラクターまで変わってしまうんですが、DT50の場合は完全に並列なので、同じセッティングでちょっと上げたりできる。そういう使い勝手の良さがありますね。それにDT50の場合、A/B両チャンネルに同じボイシングを使っている場合は、フットスイッチで切り替えても全く音切れが無いのが良いですね」。

また、モダン・ハイゲインのボイシング4もお気に入りだと語ります。「特にヘビーな曲でソロを弾くには、これが一番いいですね。ツアー中にはパワー・アンプの設定を同じにして、ボイシング2と4を切り替えて使ったりもしました。この組み合わせだとボイシングが切り替わってもほぼ音が切れないし、ボイシング4には低域に独特のキャラクターがありますね」。

さらに、POD HD500とDT50をL6 Linkで統合したセッティングも試したということです。「DT50に用意されている4種類のボイシングで十分なバリエーションが得られるんですが、この状態で出したMarshall® JCM800のサウンドは、凄く好きでしたね。HD500をDT50の上に乗せてずっと使おうかなというくらい良かったですよ!」

「今後はレコーディングでもDT50 Headと412 Cabとの組み合わせを使おうと思ってます。ボイシング1のアメリカン・クリーンは、4発キャビから出ると従来ではあり得ない、不思議な感じなのが面白いなと思っていて。それも、大音量でなくてもロー・パワー・モードでちょっと試せるのがいいですね。ベストコンディションの真空管だとしても、それをベストで鳴らせる音量というか、スイートスポットは凄く狭い。でもDT50なら普通の真空管アンプより融通も利くし、これ以上下げるとゲインが下がってしまうときにはローパワー・モードもある。こういうハイブリッドなアンプは、今後は凄く面白い存在になると思いますよ」。

深沼さんによるサウンド・デモとレビューが、DigimartのDT50特集ページで紹介されています。

(深沼さんがPOD HDについて語る Part 1はこちら

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