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Line 6ユーザー・ストーリー: 深沼 元昭 (Part 1)

2011.10.25

ギタリスト、プロデューサーとして歴代のPODをプロダクションで活用してきた深沼元昭さんは、先頃導入したPOD HDのHDアンプ・モデルの印象を、「これまで使ってきたPOD X3が、ギター・アンプを鳴らしたサウンドに対して処理をした後の“最終的な音”に近いのが特徴で、それが使いやすさにも繋がっていたのに対して、POD HDはギター・アンプを鳴らして“マイクで録った音そのもの”で、実体感というか、音像に大きさがありますね」と語ります。

「だから良い意味で、ギター・アンプのことを理解していないと扱いづらいと感じる場合もあると思います。たとえば、古いMarshall® アンプをベースとしたモデルだと、出力の大きいギターを入れてゲインを上げるとローが潰れてしまうんですが、それは本物のアンプでもそうなんです。だからPOD HDでも、ローをある程度削ったものを入力した上でゲインを上げるという、アンプ同様のノウハウが必要になりますね。そこまでリアルなので、うまくハマった時にはすごく存在感のある音になります」。

こうしたノウハウの蓄積が、深沼さんならではの鳴りの良いギター・サウンドの実現に役立っています。「POD HDの場合は、プリとポストに必ずEQを挟んでBoost Comp (Micro Ampにインスパイア*されたモデル) でゲインを上げることが多いですね。それは例えばJCM800のようなアンプでも、本体で全開にするより前にオーバードライブ的なエフェクターをはさんでゲインを上げた方が、アンプの限界を使い過ぎずにうまくハイゲインを作れるのと同じですね。ちょっと前処理があった方が1弦から6弦までのバランスも良くなります。POD HDのBoost CompにはDriveとBass、Trebleのパラメーターがあって前段階で調整して歪ませるには最適なので、全プリセットに挟んでますね。その上で、最後にGraphic EQかStudio EQで最終的な調整をします」。

POD HDには搭載される22種類のアンプ・モデルに関しては「これまでも使うアンプは5種類くらいだったんで、僕には十分です」と述べています。「POD HDではBrit P-75 (Park 75をベース*にしたモデル) やTweed B-Man (Fender® Bassman® がベース*)、Class A-30 TB (Vox® AC30 Top Boostがベース*)、Brit J-45 (Marshall® JCM-45 MkIIがベース*)、クリーン寄りの音だとHiway 100 (Hiwatt® Custom 100がベース*) を使いますね。いま気付いたんですけど、使っているキャビはほとんど412 Greenback 25ですね。あんまり意識してなかったけど、よっぽどこれが好きなんだな (笑)。クリーン系はいろいろなキャビを使ってますけど、クランチとリード系は全部これですね」。

その一方で、同じアンプ・モデルでもセッティングによって、より幅広いサウンドが作れるようになったと言います。「PODはこれまでも、マイクとキャビの選択で大きくサウンドが変わったんですが、POD HDではマスターによる変化も凄く大きいですね。例えばBomber Uber (2002 Bogner Uberschallがベース*) は、さすがに自分では使わないだろうと思ったんですが、マスターを下げると全然別のアンプのようにクッキリした音になって、単なるハイゲイン・アンプとしてでなく使えますね」。

「PODは、これまではどんな設定にしても、ある程度良い音が出せるっていうイメージがありましたが、POD HDはその枠を飛び出せるようになったと思います。自分の弾き方とか実力も如実に出るし、音作りのうまい下手も出やすいんじゃないですかね。だから、自分にあったプリセット作りに、すごく時間をかけています」。

Part 2では、深沼さんがライブを中心に使用しているDT50アンプに関するインタビューをお届けしています。

*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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