Relayデジタル・ギター・ワイヤレスは、他のワイヤレス・システムと比較すると外部からの影響を受けにくいデザインになっていますが、使用状況によっては音切れなどの問題が起こる可能性があります。以下に一般的な注意事項と、対処法をまとめて紹介します。

一般的な注意事項

・マニュアルを読み、リハーサル時など、実際のライブを行う前の段階で設定を済ませておいてください。

・リハーサル時にワイヤレス・システムを使って実際に演奏する範囲を動いてテストし、デッドポイントが無いことを確認してください。

・演奏前に電池の残量を確認してください。Relay G30の場合はLEDによる3段階、Relay G50/90の場合は、LEDに加えてLCD上で20分単位での表示も行われます。なおアルカリ電池の化学特性を原因とする“リバウンド”により、一度電源を切って再度電源を投入すると、その後20分程度は残り時間が長く表示されることに注意してください。充電池も使用可能ですが、残量の時間表示はアルカリ電池用にキャリブレートされているため、時間表示が不正確な場合があります。また充電池によっては通常の電池と微妙にサイズが異なる場合もある点にご注意ください。

問題が起こったら？

・まず、ワイヤレス･システムの問題なのかどうかを確認することで、問題を切り分けることが重要です。トランスミッターを別の楽器に、レシーバーを別のアンプに接続してみることで、ワイヤレス・システムの前後で問題が起こっていないかどうかを確認できます。

・可能であれば、同じワイヤレス・システムを別の環境でも試してみてください。別の場所でも同じ問題が起こればハードウェアの問題、別の場所で問題が無くなれば使用環境の問題の可能性が高いと言えます。

トランスミッター側で確認すること

・音切れが起こる場合は、送信機のRF LEDとAUDIO LEDを確認することで、何が起こっているかを知ることができます。演奏中にAUDIO LEDが消えるのであれば、入力されるオーディオ（ケーブルや端子など）に問題があります。RE LEDがたとえ1つでも点灯しているのに音切れが起こるのであれば、音が切れる原因は電波に関する部分でなく、シグナル・チェーン内の他の場所が原因になっています。

・ミュート機能がオンになっていないか確認してください。Relay G50/90の場合、ミュート状態になるとLCDスクリーンが点灯を継続します。

・同じ場所で、XD-VシリーズやRelayシリーズが同じチャンネルを使っていないかどうかを確認してください。(Relay G90には、同じ空間で既に使われているチャンネルをレシーバー上に表示する機能があります)

・別のRelayシステムのレシーバーのそばにトランスミッターを置かないでください。別チャンネルに設定されていたり、ミュート状態になっていたりしても影響する場合があります。

・新しい電池を使ってみてください。電池の接触不良が原因になっていないかを確認するため、一度電池をはずし、再度装着してみてください。

・ トランスミッターをポケットに入れると、伝送距離が短くなる場合があります。ストラップ上にマウントするのがベストで、ケーブルへの負荷も小さくなります。ポケットに入れる場合は、携帯電話の近くにならないようご注意ください。

レシーバー側で確認すること

・G50/90の場合は、アンテナをしっかりと接続し、両方が90度の角度になるように広げてください (それぞれが床に対して45度になるようにします。下の写真を参照)。アンテナが金属に接触していない (G90の場合は金属製ラックの内側にない) ことも確認してください。

・ 製品に付属するパワーサプライを使用していますか？　それ以外のパワーサプライを使用している場合は、9VDCで必要な電流 (G30 = 200 mA、G50 = 300 mA) が供給されていることを確認してください。ペダルボード用のパワーサプライを使用している場合は、供給電流に余裕があるかどうかも確認します。

・ レシーバーの周辺に、別のシステムのトランスミッターが無いか確認してください。Relayシステムのトランスミッターも、全く別のシステムのトランスミッター (例えばインイヤ・モニター用など) も問題となる場合があります。

・ レシーバーのアンテナは、トランスミッターのアンテナを見通せる関係にありますか？　その間に金属製の柱や壁がありませんか？　G90の場合はアンテナの位置を1.8 – 2.4 mの高さへ設置するのがベストです。見通しの関係が遮られただけで即座に音切れが発生することはありませんが、他の要因と組み合わさた環境では問題になる場合もあります。レシーバーを少し動かすだけで、状況が劇的に改善する場合があります。

G90 ユーザーの場合： セットアップ画面で正しいアンテナを選択していることを確認してください。フロント・アンテナはC&D、リア・アンテナはA&Bで、外部アンテナを接続できるのは電源供給されるリア側のみです。なお、G90はフロントとリアの両方に、計4本のアンテナを使用するようセットアップすることも可能です。