デジタルワイヤレス

TEAM URI-Boの玖島博喜氏が XD-V70デジタル・ワイヤレス・マイク・システムを導入

アーティストのPAからライブ・ハウス等の管理業務まで幅広く手掛けるエンジニア・チームTEAM URI-Boの玖島博喜氏は、様々な現場でオペレーションやプランニングを行い、新しいテクノロジーも積極的に採用するなど業界内でも信頼の厚い存在です。その玖島氏が、先頃導入したLine 6のXD-V70デジタル・ワイヤレス・マイク・システムのサウンド・クオリティとパフォーマンスを高く評価しています。

従来のアナログ・ワイヤレス・システムでは音声信号の圧縮と伸張を行うコンパンダーの使用が必須であり、そのトレードオフとしてサウンド・クオリティには妥協せざるを得ませんでした。A帯のプロ用アナログ・ワイヤレス・システムを運用する一方で、コンパンダー無しに帯域をフル活用できるデジタル・ワイヤレスに注目してきた玖島氏も、一波あたり100万円以上という従来のシステムを導入することは現実的でなかったと語ります。

その一方で、安定したワイヤレス・システムの需要は増加しています。「最近は低価格なシステムも登場してきたので、アーティストの事務所がB帯のワイヤレスを購入して持ち込むことも多くなりましたが、プロの現場で使うにはクオリティに問題があることが多い。周波数をオートサーチして自動でセットアップすることしかできない機種だと、思った周波数に設定できないなど、こちらのノウハウも生かせないんです」。

昨年末、専門誌のレビューでXD-V70をチェックした玖島氏は、「音を出した瞬間に全く違うものだということが分かった」と表現するクオリティが、その驚異的な価格以上に魅力的だったと語ります。「最近、周りのPAの人達と一緒に試聴会をやったんですが、従来のアナログ・ワイヤレスと比較してみると、言葉を一言入れるだけで違いが分かる。そこにいた素人の人を含めて、全員が音の良さを瞬時に分かってしまうレベルでした」。

今年1月の導入以降、O-EASTやCLUB CITTA’ 川崎など、キャパシティ1,000人以上の会場を含めた様々な場所で、このXD-V70システムが使用されました。「サウンド・クオリティが最大の魅力ですし、サウンドに強いこだわりを持っているアーティストも全く問題なく使っています。3バンドでツアーをした際に、バンド毎に違うメーカーのシステムを使ってみたんですが、アナログ・ワイヤレスの方が小屋やモニターの環境によって音に違いがあるように感じました。Line 6はいつも同じクオリティで出ていますし、アーティストからも、モニターがいつも同じだという返事が返ってきます。非常に安定していますね」。

このXD-V70には、Line 6ならではのマイク・モデリングも搭載されています。「あるアーティストのツアーで、まずBeta 58Aのカプセルを装着して使ってみたところ、いつも通りのBeta 58Aのサウンドだということで信頼を得て、次のツアーではモデリングを使ってみました。むしろローがタイトになって、すごく聴きやすいし歌いやすいという反応でしたね。他のモデリングも再現性が高いので、これまで使ってきたワイヤレス・マイクのモデリングを使ったり、広い会場で演奏する際に、いつもは有線で使っているマイクのモデリングを使ってみたりできるので、ミュージシャンも迷わない」。


取材日にはメイン・ボーカル、バックアップ用に 計2システムを使用

「最近は、自分用の楽器のひとつとしてマイクを購入するアーティストも多くなってきて、ワイヤレス・マイクも同様に所有することが多くなっていますね。常に同じ環境でライブを行えるよう、僕が担当する中でもLine 6の同じワイヤレス・マイクを購入したアーティストがいます。操作も簡単なので事前にレクチャーする必要がないし、電池の収納部分にロック・スイッチが搭載されているのも便利です」。

TEAM URI-Boには現在2式のシステムが導入され、今後はさらに様々な用途に使用される予定です。「コンパウンドされていないため、圧縮されている感じが全く無いので何にでも使えますね。今度はアコースティック・ギターにも使ってみようと思っています。最近は割と大きなステージでもアコースティック・ギターを弾き語りで使われる方が多いんですが、コードをストロークした際の潰れた感じが無いし、有線と同じレベルで飛ばせるのは画期的だと思います。それ以外にも、いろいろな楽器に使えると思っています」。

エンジニア・チームTEAM URI-Bo: www.uri-bo.tank.jp/

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