デジタルワイヤレス

Line 6導入事例: SHIBUYA O-Groupが歴史あるライブハウスで 4システムのXD-V70ワイヤレス・マイクを運用中

1991年、1,000人規模のキャパシティを誇る都内初の大型ライブ・ハウスとしてオープンしたON AIR (後のON AIR EAST) は、その後併設されたWEST、nestと共に渋谷におけるライブハウスの中心的存在となってきました。2003年にはO-Groupによる建て替えが実施され1,300人規模のO-EAST、250人規模のO-Crestとしてリニューアル・オープン。今年で20周年を迎えた歴史あるライブハウスで4波のLine 6 XD-V70ワイヤレス・マイク・システムが運用されています。

規模の異なる4つのライブハウスが隣接する環境は、音楽の中心地として他では得られ無い雰囲気を醸し出す一方、特殊なワイヤレス事情の一因にもなってきました。SHIBUYA O-Groupの運営を行う株式会社シブヤテレビジョンの嶋倉耕介氏は、「O-GroupではB帯のワイヤレス・マイクを所有していて、B帯で使用できる6波のうち、O-EASTビル側のO-EASTとO-Crestで計6波、向かい側にあるO-WESTビルのO-WESTとO-nestで計6波と、同じビルに入る2店舗で各6波を運用しています」と語ります。「特にアイドル系やビジュアル系のグループはワイヤレスを頻繁に使うのですが、各ライブハウスの間での干渉を避けるには、優先度を付けざるを得ませんでした」。

O-Groupが3月に導入したLine 6のXD-V70デジタル・ワイヤレス・マイク・システムは、従来のA帯やB帯とは全く異なる2.4 GHz帯を使用するため、そうしたシステムとも混在できる上、常に12波を同時使用可能。しかもプロ向けのA帯では必須となる免許や使用申請も不要です。O-Groupの音響管理を受託しているナックルポート株式会社 制作部音響課の金子亮氏 (下写真) は、「既存のB帯が飽和状態なので、ワイヤレスの干渉については常にライブハウス側で気をつけないといけない」と語ります。「最近はギタリストやベーシストで、Line 6のギター・ワイヤレスを持ち込む人も増えてきました。Line 6のデジタル・ワイヤレスは周波数が違うので、より気楽に使えますね」。

Line 6のワイヤレスは、独自の周波数ダイバーシティを採用することで、通常のシステムの4倍もの安定度を確保しています。「音質はPA側で頑張ることで何とかするしかないのですが、干渉に関してはこちらではどうしようもない。Line 6のワイヤレスは干渉を気にしなくていいのでストレスが無いですね」 (金子氏)。「3月の導入後1カ月の間に、O-Group全体で10回以上使われていて、その多くで4波を同時に運用しましたが、会場内で同じ2.4 GHz帯のWiFiを使った場合も含めて、全く問題ないですね」(嶋倉氏)。


エンジニアの金子亮氏

Line 6のデジタル・ワイヤレス・システムは、サウンドクオリティの面でも大きなメリットを発揮します。トランスミッター上に24-bit A/Dコンバーターを搭載する上、帯域の制限も無いため、コンパンダーを廃して120 dB以上のダイナミック・レンジを確保。「従来のアナログ・ワイヤレスは無理にハイ上がりにしているものも多く、まずはハウリングに対処することが重要になってくるため、音質はその次になっていました」と語る金子氏は、Line 6のXD-V70の音質を「マイク・モデリング機能を使わなくても非常にフラットな特性なので、オペレートする側も非常に楽ですね」と高く評価しています。

Line 6のXD-V70ワイヤレス・システムは、最大で見通し90 mの通信範囲を実現しており、内蔵ループスルー・アンテナ・ディストリビューション・システムを採用するため、外部ユニットの追加無しに高いパフォーマンスを発揮。昨年末にはWFX新製品アワードを獲得するなど、その革新性と安定度が世界中で評価されています。「操作に関しても、表示が見やすいし、チャンネル切替えも使いやすい。製品によっては、ボタンを2つ押して操作しなくてはいけないなど分かりづらいものもありますが、XD-V70はほとんどマニュアルを読まずに理解できました」(金子氏)。

SHIBUYA O-Group公式サイト:shibuya-o.com/

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